ベン&ジェリーズのフレーバーは、気候変動に負けちゃうかも。
April 8, 2015
気候変動は、2014年の記録的な気温の変化に裏付けられるように、世界の気象に大混乱を引き起こしています。私たちは、気候変動が世界の食物生産に与えている影響についても懸念しています。
農場主は、基本的に予想可能な天候をもとに、作物の植え付け、育成、収穫を行います。しかし、私たちが二酸化炭素の排出量を削減しなければ、すべての作物を台無しにしてしまう集中豪雨や長期にわたる干ばつと常に戦うことになってしまいます。
ここに挙げるのは気候変動の影響を受けるであろうベン&ジェリーズの4つの原料です。これらの原料を使用しているフレーバーは「絶滅の危機にあるフレーバーリスト」に載っています。
カカオ(チョコレート)
フィッシュフードからチョコレートファッジブラウニーまで、チョコレートはベン&ジェリーズの多くのフレーバーにおけるベースフレーバーです。 国際熱帯農業センター(International Center for Tropical Agriculture) の調査では、2050年までにアフリカ西部の気温が摂氏2.3度上昇すると、同地域はカカオの生育には暑くなりすぎてしまうことが指摘されています。 最近の地球セキュリティー指数(Earth Security Index)によれば、過去40年にわたる持続「不」可能な農業により、カカオ用地の40%が消失するという憂き目にあっていることが明らかになっています。 気候変動は、世界的に深刻化している干ばつにより、このすでに危うい生産モデルに圧力をかけています。 カカオを育てている農場主は、より耐性のある種を育てるか、カカオの生産を諦めてしまうしかありません。 ガーナやコートジボワールは世界のチョコレート製造シェア約60%を占めていますが、これがなくなれば、世界中のアイスクリームで使われるチョコレートがなくなることを意味しています。
ナッツ
チャンキーモンキーなどのフレーバーにあるナッツの噛み応えも、深刻な危機に直面しています。
ナッツの木は、春の成長を促すために、冬場の寒い気候が不可欠であることが分かっています。カリフォルニア、米国東南部、中国、オーストラリアなどの主要なナッツ育成地域における気温が上昇していることで、供給不足を引き起こす可能性があると見られています。 すでに冬が暖かくなってしまった、イスラエル、モロッコ、チュニジア、南アのケープ地方ではナッツ作物が打撃を受けています。 地上で育つ作物とは異なり、木になる作物は植え付けから収穫に至るまでに時間を要するため、気候が変化したからといって場所を変えるということはほぼ不可能です。 気候に「順応」するのではなく、ゼロからのやり直しです。 それは、実に困難な作業です。
こうした気温の急上昇はまた、ピーナッツバターカップのようなフレーバーには欠かせない作物にとっても、問題を引き起こします。 私たちは、ピーナッツバターが常に滑らかな舌触りであるものと思っていますが、ピーナッツの植物自体は気まぐれで、うまく育つには一定の温度とちょうど良い加減の降雨を必要とします。 2011年の深刻な南西部の干ばつにより、その年の米国の作物は打撃をうけ、価格は40%も上昇しました。残念なことに、2013年の米国グローバルチェンジ研究計画(U.S. Global Change Research Program )の全国気候評価では、主な米国のピーナッツ生産者である南部の州の夏は、気候変動により、一層暑く、乾燥することが予測されており、過激な価格上昇により、ピーナッツバターはごく一部の人が味わえる高級品になる可能性があります。
コーヒー
朝にコーヒーを味わうことなく外出するなんて考えられない?しかし、それが現実となってきています。そして、コーヒーブラストなど、「コーヒー」と名が付いているフレーバーはすでに減りつつあります。 なぜならコーヒーの木は特別な気候地帯に順応するもので、わずか0.5度の気温上昇が世界中のコーヒー作物の発育を停止させてしまうことがあるためです。恐ろしいことに、私たちはこの上昇をさらに超えてしまう道を着実に歩んでいます。 湿気が多すぎるのもよくありません。最近の季節外れの、多発する豪雨により、インドの栽培者の収穫は2002年から2011年の間にほぼ30%削減しています。 多くの作物に見られるように、気候変動によって、「コーヒーベリーボーラー」などの重大なコーヒーの害虫の種類を増大させました。 全体としての結果は壊滅的なものであり、ある調査では、これまでコーヒーの生育に適していた地域の数は2080年までに65~100%に激減してしまうことが予測されています。 憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists )が言っているように、「目を覚ましてコーヒーの香りを嗅ぐ」べきときが来ているのです。
これらの原材料はなくなってしまうのでしょうか? 私たちは、そうならないことを望んでいます。 私たちと一緒に気候変動にストップをかけ、これらのフレーバーを「絶滅の危機にあるフレーバーリスト」から救出しましょう。